それ本当に安全ですか?
環境中の毒素に関して関心を払う人が多くなるにつれて、より多くの化粧品メーカーが“自然派”“オーガニック”の流行に乗っているように思えます。けれど、ラベルに表示されている天然、オーガニックという言葉は実際何を意味しているのでしょうか?私たちが購入している製品が、天然、オーガニック製品であるという確証はどこにあるのでしょうか?合成化学物質に代わる天然に由来する代替品とは?天然のほうが私たちにとって本当にいいものなのでしょうか?
私たちの皮膚は身体の中で最も大きな除去機能をもつ器官であり、相互的に働く膜皮です。毒素は発汗によって除去され、皮膚を通して体循環へと吸収される他、体毛の卵胞と脂肪腺(汗腺ではない)から吸収されます。皮膚1インチ平方あたり、65の体毛、100の脂肪腺、650の汗腺があります。
化粧品メーカーは、取り扱いの製品について、肌に浸透する機能があるといった売り文句を使うべきでないとされています。もし、そのような文句が使用されている場合は、その製品は“薬品”として分類されるはずで、よってもっと厳しい規律によって管理されることになります。これには良悪があります。良い面は、肌がなにかすばらしい成分によって栄養を補給されるということ、悪い面は、化粧品メーカーが経口摂取の認められていない成分を使用し、皮膚を通してその成分が私たちの体内に吸収される可能性があるという点です。
“天然”“オーガニック”とパッケージに書かれた文字の本当の意味は?
化粧品業界においてほど、“ナチュラル”や“オーガニック”といった言葉がむやみに乱用されることはありません。
“天然”という言葉を目にしたときに私たちがまず思うのは、おそらく“自然に存在し、形成され、人工的でない”ということでしょう。多くのラベル表示は、合成化学薬品名が羅列され、中には“・・・(自然の物質)由来”とかかれたものも見られます。これは消費者を混乱させるもとです。コカミドDEA、ヒドロキシスルタイン酸といった化学成分が“パームオイル由来”などと書かれていると、一般の人はこれらの合成化学成分が天然のものであると思ってしまうでしょう。実際自然成分を使用している製品ももちろんあるかもしれませんが、結局、化学処理を施されたものは、もはや天然とも純粋ともいえず、何から抽出されるかということはあまり意味のないものになってしまうのです。
たとえば、コカミドDEA(シャンプーなどに起泡剤として使用される)の製造には、パームオイルに発ガン性物質として知られるジエタノールアミン−DEAの添加が必要となります。するともはや天然どころか、安全性までも疑問視されます。
“オーガニック”という言葉を目にしたとき、私たちはたいてい“合成化学物質を使用せずに生育、栽培された”という意味としてとらえるでしょう。これは、多くの化粧品メーカーの戦略として、“オーガニック”と書かれたラベルが一般消費者に与えるイメージについて意図するものと一致します。
化粧品メーカーの中には、“オーガニック”を化学的定義(炭素原子を含む化合物を意味する)として不道に使用していることもあるようです。炭素は全ての生物に存在するもので、オーガニックをこの種の定義として使うと、石油化学製品の防腐剤であるメチルパラベンもオーガニックとされます。なぜなら、何千年にもわたって防腐した木の葉から形成された原油が、この防腐剤の原料として使われているからです。
製品成分として“オーガニック”ハーブを使用と銘打つメーカーが増えています。しかし、その他の成分についてはどうなのでしょう。安全性は?でも、ラベル表示に使用される“オーガニック”という用語の使用規制をする機関があるのでは?答えは、ノー。そのような権力をもつ機関は存在しません。
しかし、“認定オーガニック”という用語については、多くの国際機関によって管理されています。オーストラリアでは、オーストラリア認定オーガニック(ACO)が最大規模の団体です。
ラベル表示に認定機関のロゴマークのついた製品かどうかを見分けるのが、全使用成分が信頼できるオーガニック成分を使用していることを保証する唯一の方法なのです。それ以外は、オーガニックと書かれていてもそれを立証するすべがないので意味がありません。
本当に“天然”で“オーガニック”であるかを見極めるには?
幸運にも、化粧品において誇大か真実かを見極めるのはいたって簡単です−ラベルに表示された成分表をみればよいのです。全てのスキンケア製品は、使用されている配分の多い順に成分名をラベル表示に記載することが義務付けられています。一目でわかりやすい方法は、成分表をおおまかに3段にわけて見る方法で、上段に入っている成分は製品中90〜95%、中段が5〜8%、下段が1〜3%の割合で使用されているといえます。
以下にあげるのは、有名“天然”スキンケア化粧品メーカーから販売されている“天然”“オーガニック”全身用乳液の成分表です。
アプリコットクリーム
以下のナチュラルまたはオーガニック成分を含む:
- 水(脱イオン水)
- パルミチン酸イソプロピル(パーム油由来)
- アプリコット核油
- カプリル酸ビスジグリセリル /カプリン酸/イソステアリン酸/ステアリン酸/アジピン酸ヒドロキシステアリン酸(植物トリグリセリド)
- ステアリン酸グリセリルSE(植物由来)
- カプリル/カプリン酸トリグリセリド(グリセリン由来皮膚軟化剤)
- セテアレス−12(オーガニック乳化剤)
- トコフェロールオイル(ビタミンE)
- カモミールエキス
- セージエキス
- リンデンエキス(ライム花エキス)
- バームミントエキス
- シアバター(カリテ)
- 小麦胚芽油
- キャロットオイル
- セタノール(オーガニック乳化補助剤)
- 水酸化ナトリウム(pH調整剤)
- ソルビン酸(オーガニック化合物)
- 酢酸トコフェロール(ビタミンE由来)
- メチルパラベン(オーガニック化合物)
- プロピルパラベン(オーガニック化合物)
- イミダゾリジニルウレア(オーガニック化合物)
- 香料
- FD&C黄色5番、D&C赤33番
内容:アプリコットオイル(2.5%)
一番最後に表記されている“内容:アプリコットオイル(2.5%)”についてみてみましょう。アプリコットオイルは成分表の第3番目にあげられています。スキンケアメーカーは含有量の多い順に成分表に表示しなければならないのですから、この場合アプリコットオイル以下にあげられている成分についてはすべて全体の2.5%以下の含有量になることになります。
つまり、この製品の約90%は水とパルミチン酸イソプロピルから成るわけです。パルミチン酸イソプロピルとは、イソプロパノール、合成アルコール、パームオイルから抽出される脂肪酸のパルミチン酸の結合成分です。ウサギを使った実験では、皮膚のかぶれや皮膚炎を起こす可能性があることが認められ、毛穴をふさぐ作用(にきびの原因となる)があるとされています。
7番の成分は合成乳化剤で、発ガン性のある酸化エチレン、ジオキサンが危険なレベルで含まれている可能性があります。
8〜15番の成分は、ごく少量使用されている天然成分で、原料の栽培には殺虫剤や除草剤が使われている可能性もあります。
16番は、天然または合成の成分で、接触性湿疹を起こすことがあります。
17番は、別名苛性ソーダとして知られ、強いアルカリ性、腐食性を示します。
18番のソルビン酸は、一時はセイヨウナナカマドの実から単離されていましたが、現在では化学的に合成される毒性をもつ防腐剤となっています。
19番は、合成のビタミンE。
20〜22番は、毒性とアレルギー性をもつ防腐剤。
23番は合成物質であると思われ、胎児に影響を及ぼすとされるフタル酸を含んでいる可能性があります。
24番は合成色素で、発ガン性を含む可能性があります。
では次に、認定オーガニック全身用乳液の成分表をみてみましょう。以下はこちらの成分表の表示です。:
認定オーガニックボディーインテンシブ
- オーガニックアロエベラ
- オーガニック紅花オイル
- 精製水
- オーガニックアボカドオイル
- オーガニックシアバター
- 遺伝子組み換えでないレシチン
- オーガニックサトウキビ由来エタノール
- D-パンテノール(ビタミンB5のプロビタミン)
- オーガニックオリーブ抽出液
- オーガニックグレープフルーツ種子抽出物
- 天然樹脂
- オーガニックバニラ抽出物
1番は皮膚の再生機能を高める治癒効果のあるオーガニックアロエベラ植物に由来します。
2番はオーガニック紅花種子より熱を加えずに搾られたオイルで、皮膚を軟化する作用があります。
3番は精製された水。
4番はオーガニックアボカドより熱を加えずに搾られたオイルで、乾燥肌に特によいとされます。
5番はオーガニックシアナッツ豆に由来し、妊娠腺の予防に効果的で、天然の紫外線予防成分を含みます。
6番は遺伝子組み換えでない大豆油に由来し、健康な肌を保つための天然の保湿効果があります。
7番はオーガニックサトウキビに由来し、オイル、バター、アロエを混合し乳化するのを助けます。
8番はビタミンB5の前駆体で、治癒効果と保湿効果があります。
9番はオリーブ液に由来し、紫外線によるダメージから肌を守る天然の抗酸化機能を持っています。
10番はグレープフルーツ種子に由来し、天然の抗細菌機能があります。
11番は皮膚を柔らかくし、製品にとろみをつける天然樹脂。
12番はオーガニックのバニラのさやから抽出され、高い芳香があります。
この記事は「オーガニック&ナチュラルリビング」より抜粋しました。
全内容はこちらからダウンロードできます(PDF形式)。

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